2010-新着鉱物標本-入荷品情報
今年の1月〜2月、数度の出張にて入手した、新着鉱物標本の一部をご紹介します。最近の市場では、なかなか見られなくなった有名標本なども含まれており、興味深い稀産鉱物もあります。整理にはもう少し時間がかかりますが、整理が済んだものから店頭に出していきますので、よろしくお願い致します。掲載した品以外には、マダガスカル産のトルマリン、デマントイドや、微小ではありますが、エルバ島のトルマリン、ブロークン・ヒル産の方鉛鉱中のスペサルティン(1点)、英国産方解石、孔雀石に被われた赤銅鉱の8面体、12面体の分離結晶(古典標本)、ダリネゴルスクの新産ダトー石の小型美標本、モロッコ産 輝銀鉱の結晶、アフガニスタン産の鉱物各種、スイスのレンゲンバッハから産出する稀産の硫塩鉱物 レンゲンバッハ石、K、Mg、Al、Ti、の特殊な稀産の燐酸塩鉱物、マンティアンヌ石などが入荷しています。
Ruby in Tschermakite / ルビー・イン・チェルマーク閃石
Fiskenasset, Greenland, Denmark
多種の特殊な鉱物を産出しているグリーンランド産のルビーです。インド産やタンザニア産のものは、クロム白雲母やゾイサイト中に入っているもので、色彩のコントラストは似ていますが、この品はチェルマーク閃石中にルビーが入っているもので、小さい粒状でありながらも、非常に美しい色合いのルビーとなっていて、他産地品とは一線を画す珍品となっています。チェルマーク閃石の標本として持っていても良いと思います。
Scapolite / 柱石
Badakhshan, Afghanistan
アフガン産のパープル系スキャポライトの母岩付き標本です。研磨用の分離結晶品程、鮮やかな色ではありませんが、母岩付き標本は極端に少なく、入手の機会もたいへん限られています。未分析であり、恐らく曹柱石だと思うのですが、この産地品には、灰柱石との中間種もあるようで、ここでは柱石(Scapolite)としておきます。たくさんの結晶が母岩に付く、大きめの標本もあります。
Rhodonite in Galena / バラ輝石(ロードナイト):方鉛鉱中
North Mine, Broken Hill, N.S.W., Australia
最近では滅多にお目にかかれなくなってきた有名品、オーストラリア、ブロークン・ヒル産の方鉛鉱中のバラ輝石です。最盛期の産出品ほど立派なものではありませんが、鮮やかな赤色、ガラス光沢の結晶が方鉛鉱中に多数、埋没しています。
Hackmanite / ハックマン石(方ソーダ石)
Mt. Saint-Hilaire, Quebec, Canada
カナダ、モンサンチラール産のハックマン石です。自形結晶は見られませんが、青色の本鉱が、白色母岩中に点々と入っていて、色彩のコントラストが美しい品となっています。蛍光性。
Trapiche Emarald / トラピッチェ・エメラルド
Vasquez-Yacopi dist., Boyacá, Colombia
径 約7mm程の薄い板状のトラピッチェ・エメラルドです。やや歪んだ形状の品ですが、六角形の中心部が観察できる典型的なトラピッチェ構造が見られる品となっています。小さいながらも、美しいエメラルド・グリーンをしています。
Tanzanite (Zoisite)/ タンザナイト(ゾイサイト)
Mererani, Arusha, Tanzania
タンザナイトの研磨用ラフです。加熱品ですが、タンザナイトとしては、美しい色合いの品質の高い原石で、一部に結晶面が見られるものもあります。カットされたタンザナイトは殆ど全てが加熱品であると言ってもいいと思いますが、この事が宝石の価値に影響する事は無く、色の質が価格の評価となります。青色の強いものが高い評価を受け、紫色、緑色を帯びたものは、前者のものより、やや評価が低いようです。その他、非加熱の結晶標本もあります。
Penfieldite / ペンフィールド石
Casucha Mine, Sierra Gorda, Antofagasta, Chile
鉛のハロゲン化鉱物、ペンフィールド石です。産出の稀な稀産鉱物で、方鉛鉱のリッチな変質した母岩に、ペンフィールド石が生成されています。共生するボレオ石のため、ターコイズブルーに色付いています。
Turkestanite with Baratovite / トルケスタン石(バラトフ石)を伴う
Dara-i-Pioz, Tajikistan
トリウムの鉱物で、Ca、Na、Kを組成に持つ、特殊な含水珪酸塩鉱物、トルケスタン石です。大変産出の稀な鉱物で、黄緑色の結晶が母岩上に付いている良標本となっています。K、Li、Ti、Fなどを組成に持つ稀産の珪酸塩鉱物、バラトフ石を伴って産出します。
Phosgenite / フォスゲン鉱
Monteponi, Iglesias, Sardinia, Italy
無色からベージュ色の地味な色合いでありながら、ヨーロッパのコレクターにはなくてはならない人気鉱物、イタリア、サルディニア島から産出する有名鉱物標本、フォスゲン鉱です。鉛と炭酸基を組成に持つハロゲン化鉱物で、白鉛鉱や硫酸鉛鉱にも似た質感をしています。透明感のあるベージュ色の結晶が連なり、母岩上部に生成されています。標本全体の約半分程が本鉱の結晶となっている大変リッチな品となっています。市場での入手の機会は非常に限られています。
Tyrolite / チロル銅鉱
Holzalm, Brixlegg, Tirol, Austria
オーストリアのチロル地方、Brixlegg産 チロル銅鉱の原産地標本です。この地で発見された鉱物で、特徴的なシルキー光沢を持つ、青緑色の結晶が、母岩表面に張り付いているサムネイルサイズの標本です。小型品ですが、本鉱の特徴が良く観察できる良品となっています。